世界は不幸を愛している 2017 3 19

書名 世界金融・貿易戦争の結末
著者 中丸 友一郎  徳間書店

 世界は不幸を愛しているというよりも、
深層心理で、世界は、失敗を愛している。
だからこそ、やがて、失敗がやってくる。
 著者は、こう指摘します。
2008年のリーマンショック以降、
世界経済は、日本、アメリカ、中国、ヨーロッパを中心とする、
積極的な財政・金融政策の国際協調によって力強く回復するかに見えた。
 だが、2010年にはギリシャショックが発生し、
大停滞からの回復途上において、世界中が財政再建と緊縮策を優先し始めた。
(中略)
 たとえば、アメリカでは、
2013年に発生した「財政の崖」の危機を背景に、
時期尚早の財政緊縮に転じたため、
バーナンキ議長(当時)率いるFRBは、
量的金融緩和政策で補わざるを得なかった。
 日本は、当初、成功への必要条件を満たしていたアベノミクスだったが、
その後、2014年4月の8%への消費税率引き上げという緊縮財政政策への大転換を契機に、
リセッション(景気後退)に陥り、
黒田総裁の日銀は、過激なバズーカ砲を放って市場を一時的に驚かせてみせた。
 しかし、消費税引き上げによる消費低迷の影響は大きく、
そして長引き、日銀のバズーカ砲にもかかわらず、
日本経済は、2014年度に0.9%のマイナス成長に陥った。
(引用、以上)
 まだ体力がある日米は、リカバリーショットを打つことができますが、
すでに体力が失われている欧州は、それも難しいでしょう。
 欧州版の「失われた10年」は、やってこないかもしれません。
日本は、体力があるからこそ、「失われた10年」をやっていられました。
 深層心理で、世界は、失敗を愛している。
だからこそ、やがて、失敗がやってくる。
 世界は、成功を恐れている。
だからこそ、成功を目の前に失敗したくなるのだ。











































































































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